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犬の肝臓の病気(肝臓病)一覧

肝臓はなんと少なくとも300以上もの働きをしていると言われる大変重要な臓器です。主な働きは栄養の代謝・解毒・血液量の調節・胆汁の生成などです。肝臓は再生能力に優れており、少々の傷程度は再生します、正常な肝臓では全体の1/4が残っていれば数カ月で完全に再生すると言われています。またもう1つ肝臓には予備能力が備わっており、肝機能が低下した場合、その部分をカバーする能力を貯蔵しています。しかし、いくら再生能力があると言っても限度があります。ダメージを与え続けると治癒できない程に傷がつきます、しかし予備能力がある為、なかなか症状が現れません。その為、肝臓は症状がでた時には既に病気が進行している事が多いのです。

人間ではアルコールやウイルス感染での肝臓病が殆どですが、アルコールを飲まないペットの肝臓疾患の大部分がウイルスや細菌感染です。また栄養の偏りも原因になります。他の病気から肝臓を痛める事もありますが、まずはウイルス感染に気を付け、バランスの良い、体に負担をかけない食事を心がける事が大切です。

<症状と原因~腸閉塞>

小腸の中に口から飲んだ異物などがつまり閉塞を起こすもので、犬では比較的多くみられる。つまったところのすぐ上部からガスや液体がたまり始める。この結果、体液と電解質が失われることによる異常、細菌の異常繁殖による細菌毒素によるショックなど、重大な生命を脅かす障害となる。

また腸がねじれた場合や腸の一部が別の部分に入り込み重積の状態になったものでは、腸の壊死(えし;組織が死んでしまう)も起こり細菌の異常繁殖による細菌毒素によるショックなどがきわめて起こりやすい危険な状態である。

異物の中にはレントゲンで写らないものもあるので、発病前おもちゃで遊んでいて急に吐きだしたなどの情報が重要になる。元気食欲がなくなり、吐くというのが一番多い。腸の中でも胃に近いほど、吐くのは激しく回数も多い。また腸がねじれたり重なっていたりする場合は、症状はもっと激しく、ぐったりして青白く、脈が弱くショックの状態に陥っていることもある。

<対策と治療方法~腸閉塞>

原因が異物を飲み込んだりなどの場合は外科手術によって除去する事で治癒します。ただし、早期発見・早期治療が大切です。

<症状と原因~膵外分泌不全>

膵臓に障害があるために、わんこは、いくらたくさん食べても太れない病気。食欲が旺盛で、いつもたくさん食べているのにもかかわらず痩せていて、そのうえに大量の便をします。便は白っぽい色で、くさった油のような臭いがする。脂を多く含んだ便です。まれに、自分の便を食べてしまう犬もいます。

膵臓の萎縮や慢性肝炎などの影響で、膵臓から消化を行うのに十分な酵素が分泌されないためにおこる。そのために消化不良をおこし、太れない。一般的に大型犬に多い。特に若いジャーマン・シェパードにみられることが多いです。高齢犬にみられるケースがあり、糖尿病を合併していることがある。

<対策と治療方法~膵外分泌不全>

不足しているすい臓の消化酵素を補給してあげます。料理にも使う肉をやわらかくする働きのある膵酵素を毎回食事に混ぜ与えます。ただし同時に胃酸の分泌を抑えてやらないと、膵酵素はうまく働いてくれません。

食前に混ぜておいてもあまり消化はされないので、食事の方をむしろ低脂肪の消化されやすいものを少量ずつ与えます。さらにビタミンの補給、抗生物質投与も場合によっては行います。

<症状と原因~出血性胃腸炎>

胃腸内での免疫反応が原因ではないかと考えられている急性の胃腸炎で、血の混じった嘔吐、下痢とともに、血液が濃縮して重篤な状態になる病気です。パルボウイルス腸炎とも一見似ています。

若い成犬(2-4歳)のトイ、ミニチュア種に多くみられる。

急に嘔吐と元気消失が始まり、数時間後には血液を混じた悪臭のする水様性下痢がみられ、次にショックの状態に陥ります。ショックとは血液の損失が激しいときなどにおこる、全身への血液供給が下がった状態で、ぐったりし、呼吸と心拍は早くなり、血圧低下、低体温などが特徴です。

血液検査を行うと血液が濃縮されていて、ヘマトクリット値が 60%を越えていることもあります。パルボウイルス腸炎とは、血液の高度の濃縮、発熱がない、白血球減少症がない点が異なります。

<対策と治療方法~出血性胃腸炎>

早急な輸液療法で治療する必要があります。食事は嘔吐、下痢がおさまるまで控えておきますが、通常1-2日で回復します。その他抗生物質の投与や、必要に応じて輸血を行います。

<症状と原因~急性肝不全>

原因には様々な要因があります。ウイルス性や細菌性の感染症や、薬物による肝臓へのダメージ、事故などによる外的要因など多様です。肝臓の、細胞が死んでしまい(壊死)、肝臓が機能しなくなってしまった状態を肝不全と呼びます。

症状としては、嘔吐・下痢・多飲多尿などが、代表的な症状ですが、ひどい場合は、黒色便・吐血などを伴います。特徴的な症状は黄疸です。白い犬では、皮膚で黄疸が簡単に確認できると思いますが、体色の濃い犬では、口の粘膜や、白目の部分が黄色くなってくることで黄疸を確認することができます。

<対策と治療方法~急性肝不全>

急な疾患であるため、診断と治療は平行して行われます。最初の2-3日は食事も止めて点滴を行うことが多く、これで水と電解質の補給を行います。また肝性脳症の原因となるアンモニアを少なくする治療も重要です。

あわせてビタミンや糖分の補給も点滴で行い、食べられるようになったら、蛋白を制限した食事を少量ずつ与え始めます。出血が激しいものでは、輸血やビタミンKの投与も行います。

<症状と原因~急性膵炎>

膵炎は、急性膵炎と慢性膵炎とに分かれます。またそれらの中間型のようなものもあるようです。急性膵炎とは突然に発症する膵臓の炎症です。慢性膵炎は持続的に起こる炎症性の疾患で、永久的にその機能が障害される可能性があります。

急性膵炎は慢性膵炎よりも多く診断される傾向にあります。 年齢、性別、品種による好発傾向はあまり認められていませんが、わずかにシャム猫系に多いようです。臨床症状としてはあまり、特異的なものはなく、これがこの病気の診断をさらに難しくしているようです。

多くの猫は嗜眠傾向があり部分的あるいは完全な食欲不振があるということです。しかしこれらは猫の病気の最初の症状としての状態で、多くの病気は、この2 つの症状が出ますので、何も診断上の手掛かりになるものではありません。

本来膵炎は消化器系の病気ですから消化器の病気の本来の特徴である嘔吐、下痢、腹痛等は20~30%ぐらいしかでないようです。その他の所見としては、脱水、黄疸、呼吸速拍、頻脈、低体温、等が認められます。

<対策と治療方法~急性膵炎>

多項目の検査を行い、この間食事は3-4日(あるいはそれ以上)止めて、膵臓を休ませながら炎症が治って行くようにします。失われた水や電解質を点滴で補給するのも重要です。通常は自分で直って行くものですが、どんどん悪化するものでは輸血も行うこともあります。さらにショックに対する治療も行われます。

<症状と原因~慢性肝炎>

家族性(遺伝性)の慢性肝炎が多いです。ベドリントンテリアとウェストハイランドホワイトテリアでは、銅が肝臓にたまることで慢性の肝炎が高い確率で起こります。ドーベルマンでは原因不明の慢性肝炎と肝硬変がみられ、さらにアメリカンおよびイングリッシュコッカースパニエルでも原因不明の慢性肝炎が散見される。

症状初期の症状ははっきりしたものではなく、元気がない、食欲がない、慢性嘔吐、多飲多尿といったもので、進行すると黄疸、腹水、血液凝固障害、肝性脳症といった、明らかな肝不全の症状となる。

原因不明の慢性肝炎は、若いときから起こるので(コッカスパニエルでは2歳くらいから、ドーベルマンでは4歳くらいから)、そのような犬種では早くから定期健康診断を行っておいた方がよいと言われている。

<対策と治療方法~慢性肝炎>

まず、どのようなタイプの慢性肝炎なのか、あるいは肝硬変なのか、どのくらい肝臓は残っているのかは、生検を行わないとわかりません。慢性肝炎は壊された肝臓が線維で置き換わってしまう病気なので、本質的には直らない病気ではあるのですが、治療は病気の進行を遅らせる、原因と考えられるものを少しでも減らし、低下した肝機能を薬物などで補うといったことを行います。

治療は胆汁のうっ滞が発生した場合には利胆強肝剤を、使用しまして感染も考慮して抗生剤の服用を行なう形になります。脱水補正及び循環促進のための補液も行います。ケースにより炎症を抑え、線維化を抑制するためのステロイドもしくは免疫抑制剤も使用します。肝臓の負担を少なくさせるために消化しやすい食餌への変更も効果があります。慢性経過をたどりながら良くなったり悪くなったりを繰り返すことも多いです。

<症状と原因~急性胃炎>

不衛生なお水を飲んだときや、腐敗した食べ物を食べる、毒性のある物質、異物などを食べたときにおこります。このほかに、伝染性肝炎やジステンバー、パルボウイルス感染症などの急性の伝染病も原因になります。

痛みのために腹部が緊張して、激しい吐き気を伴います。食べた物や胃液、粘液、血液などを吐きますが、吐くものがなくても吐く動作をします。

<対策と治療方法~急性胃炎>

急に犬が吐く場合、車酔いを除いておそらく急性胃腸炎によるものが一番多いと思われます。原因を取り除き、口から入る食事と水を24~36時間止めれば、通常1~5日で回復します。

絶食後徐々に水を与え、次に流動食を与える。また脱水が激しいものでは(皮膚をつまんで戻りが悪い)輸液療法を受ける必要があります。さらに嘔吐の激しいものでは吐き止めの薬を与え、短時間で回復がみられない場合、あるいは嘔吐が非常に激しい場合には、おそらく診断が違っているので慢性の嘔吐の原因となるその他の疾患について幅広い検査が必要となります。

犬でも胃潰瘍はあるが薬物で胃を荒らした場合がほとんどで、人間のような真の精神的ストレスによるものはありません。

<症状と原因~胃拡張・胃捻転>

膨らんだ胃がよじれて捻転を起こす、中年の大型犬(特に胸の深いコリーやセッターなど)に多く見られる病気である。急激に胃が膨らむため腹部が膨満し、吐き気、元気が無くなる虚脱等の症状が見られ、処置が遅れると、ショック状態に陥る可能性もある。

原因は不明であるが、犬の胃の運動性の問題、食餌の種類や回数、運動などが発生と関係あるといわれている。この状態が続くと、各臓器や大血管が胃による圧迫を受けてうっ血し、血液循環が悪くなり、心臓にも影響を与え、死を招く危険があるので、動物病院での緊急の対処が必要である。

<対策と治療方法~胃拡張・胃捻転>

胃が膨らんで血液循環が悪くなるため、ショックと胃壁の壊死が起こることによりこの病気は生命を脅かすものとなります。したがってまずショックに対する輸液と薬物治療が行われ、次に口から胃に向かってチューブを入れて胃の中の空気を出す。

チューブが入れられない場合には、外から胃に針を刺して空気を抜くこともあります。そして膨張がなくなった胃について詳細にレントゲン診断を行い、拡張だけなのか捻転をともなうのかを確認し、再発防止のために胃を固定する手術を行います。

<関連情報~胃拡張・胃捻転>

胃拡張・胃捻転とならないためには食事の回数を1回にしないこと。(最低でも2回に分ける) また、食後の急激な運動も避けることをおすすめします。

★胃拡張・胃捻転を注意したい犬種
コリー
シェパード
ボルゾイ
グレート・デーン
ボクサー
ジャーマン・シェパード
セント・バーナード
ドーベルマン
など大型犬

<症状と原因~門脈シャント>

シャントとは、近道のことを言います。通常、腸管からたくさんの栄養素を含んだ血液を運ぶ血管(門脈)は、いったん肝臓に集まり、ここから後大静脈を経て心臓に入ります。肝臓は門脈に含まれるたくさんの成分を蓄積したり、分解したり、作り替えたりします。

しかし、この病気はその門脈が直接後大静脈には入り、本来体には流れてはいけない物質が、流れてしまう結果となってしまいます。それは、アンモニアと呼ばれる成分です。食事をすると大量のアンモニアが門脈より吸収されて本来なら肝臓に入り、毒性のない状態にしてから体中をめぐることになりますが、門脈シャントがある動物は直接アンモニアが体中を回ります。

血中のアンモニアの増加は、脳に悪影響をあたえて、意識障害や痙攣や昏睡といった脳神経症状を起こします。ですから、この門脈シャントのある動物の特徴は、食事後に症状が現れることです。比較的、食事療法と投薬でうまくコントロールできる場合があります。通常は、生まれつきのケースがよく見られます。

<対策と治療方法~門脈シャント>

様々な検査で肝不全があることをまず証明して、若い犬ならばこの病気が非常に疑われるので、手術の準備をして血管の造影検査を行い、血管の異常の位置を確かめて手術で治します。

ただし微妙な血管の手術なので、手術の難しさや成功率もタイプにより様々です。手術後順調なものは、その後の生存率はきわめて高くなります。



肝臓の病気は多種多様にありその原因もさまざまです。犬の伝染性肝炎のようにウイルスによるもの、先天的な異常によるもの、他の病気の為に二次的に肝臓が悪くなったもの、腫瘍性疾患によるもの、薬物や毒物によるものなど多岐にわたります。

肝臓は予備能力が大きいため、病気が進行し、病変が広範囲になるまで症状が現れない事があります。異常に気づいた時には既にかなり進行し重症で、すぐさま入院治療が必要になる事も稀ではありません。ペットの健康チェックなどで血液検査をした時にたまたま肝臓の異常が見つかる事もありますので定期検診は早期発見の大切な習慣になります。

たまたま発見できた場合、殆どのペットは見かけ上、何の異常も示していませんが早期発見が出来たのですから悪くならないうちに治療を受けましょう。放置すれば確実に悪化していきます。 肝臓疾患の犬、猫に見られる最も一般的な症状は元気食欲不振、体重減少嗜眠です。病状が進むと、歯茎や白眼の所が黄色くなり、いわゆる黄疸が見られたり、嘔吐、下痢、さらには腹水が溜まったりします。

病気によっては、神経症状が出たりもします。肝臓は腸から吸収した栄養素を蓄え、それらを必要とする体の各所に送り出す働きを持っています。また、動物が、生きて行く為に不可欠な物質を合成し、一方では取り込んだ有害な物質を、無害なものに変え、さらにそれらを排泄するという非常に大切な仕事をしています。

肝臓は悪くしても早いうりであれば再生する力を持っています。しかし、悪化すればその部分の機能は失われ、身体は正常に働かなくなってしまいます。1日も早く発見・治療するという事は非常に重要な事なのです。

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