<症状と原因~便に異常がある(下痢・血便など)>
犬の便にうっすら血がついている、急に下痢をし始めたといっても、特に病的なものではない事も多々ありますので極端な心配は要りません。私達人間同様に食べ過ぎによる下痢や気候が影響して下痢する事もあります。意外と知られていない所で、状態の良い便の後の鮮血や、少し固まったようなねっとりしたような血は肛門付近で起こっている出血で、人間で言う「痔」という事もあります。もちろん腫瘍である可能性も否めませんが、食事を見直し、すぐに落ち着くようであればさほど心配は要らないでしょう。
また、犬(成犬)が牛乳を飲むと下痢をする場合があります。これは人間にもよく見られる症状と同じですが、犬は人間よりもはるかに事例が多いです。それは牛乳の成分中に含まれまる乳糖成分を消化する酵素が不十分の為に乳糖不耐性がおこるためです。他には食べ物と合わない場合(食物アレルギー・食物不耐性)、一度に大量に食べ過ぎた場合にも下痢の状態になってしまう時もあります。
下痢を起こし、血便が見られる場合は、肝臓病や寄生虫が疑わしいですが、食べ物が便として排泄されるまでには、食道や胃・大腸などを通過するので、それらの通過する器官で出血が起きていれば血便として出てきます。目安として便全体に血がついている場合は、小腸や大腸前半からの出血が考えられ、便の外側の血は大腸後半からの出血が疑われます。ドス黒いタール状の便が出ている場合は病状が深刻な場合が多いのですぐに病院へ行くべきでしょう。
細菌やウィルスに感染した時に下痢を起こすケースがあります。場合によっては同時に下痢と発熱があり体温を測って39.5℃前後より高いなら感染の可能性があります。その場合、下痢が2日間以上続いたり、水状のような便・黒や茶色のタール便が出ます。また、体内に多数の寄生虫がいたりして慢性的なすい臓病等にかかっての負担や、精神的にショックを受けてしまうのも下痢の原因となってしまいます。
<考えられる病気~便に異常がある(下痢・血便など)>
胃・腸の病気、肝臓の病気、すい臓の病気病、下痢、腹部の腫瘍、感染症、ジステンパー、内部寄生虫、パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、レプトスピラ症、中毒、過食、精神的ショック、ストレス<対策・予防方法~便に異常がある(下痢・血便など)>
軽い下痢症状は、下痢止めの薬と味をつけたおかゆのような消化のよい食べ物を与えて安静にさせるか、1日くらい絶食させることで翌日には治ってしまうこともあります。回復したら下痢の要因をとりのぞきましょう。下痢が何日も続いたり、下痢と嘔吐をおこした時に、放置しておくと犬の生命にも最悪かかわってしまいます。家庭では手におえないので早めに獣医師さんの治療が必要です。また、普段一緒に過ごしている家族が何日か家を留守にしたり、ワンちゃん自身がどこかへ預けられたりした時にはストレスで下痢や血便が起きることがあります。もとの環境に戻れば犬の精神状態が落ち着いて、ほとんどの場合治ります。ただ、ひどい下痢が続いて環境が戻っても長期間治まらないようでしたら、動物病院で治療を受けてください。