<症状と原因~皮膚組織球腫>
皮膚組織球腫は、犬特有の疾患で、一般的に腫瘍に悩まされる高齢には少なく、逆に1,2才の若い犬に見られるという大変変わった腫瘍です。一症例の50%は年齢1~2才未満のワンちゃんに発生しています。また純血種犬の方が雑種犬よりも発生率が高いです。耳翼が最も好発する部位ですが、四肢、首、頭などにも出現します。通大多数は、1~2cmで、単発性ですが中には多発する事もあります。どちらにしても治療せずとも自然に消失しまう事の多い腫瘍です。
成長が非常に早く、あっという間に大きくなるので飼い主さんは驚いて病院に連れていき、検査をしてみたら良性腫瘍だったという事で診断される事がおおいでしょう。特に治療を必要としないものですが、まずは腫瘍を調べる必要がありますので一度は病院に連れていくことは必要です。成長が早いものの、治りまでも大変早い疾患です。
<対策と治療方法~皮膚組織球腫>
組織球腫のなかには外用コルチコステロイド剤で縮小し、消滅するものもあります。しかし、組織球腫よりも厄介な肥満細胞腫との鑑別診断を厳密に行うために、ほとんどの場合には外科的切除を必要とします。成長が速くて悪性疾患と考えるかもしれませんが良性の腫瘍です。この腫瘍の周りにリンパ球が、集まり自然に消えます。しかしあまりにも1~2cmより大きく、部位によっては切除します。症例のなかで切除した部位から再び起きたりや別の部位に新たに腫瘍が発生する事もおきます。多発性も、まれに報告されていますが治療しなくても約8~12週間で消失します。