<症状と原因~骨肉腫>
骨の癌で主に発症しやすいのは、大型犬の前足側に多くなってしまいます。前足では肘から遠い部分、後肢では膝に近い部分の骨に発生が多いです。足をひきずるなど、歩行に異常が現れたり、足の腫れがみられます。外傷やねんざがないのに足をひきずっている場合は、この病気を疑ったほうがよいでしょう。骨の腫瘍は、骨腫を除くと悪性であることが多いため、早期発見が重要です。ふつう腫瘍は、中高齢の犬に多く発生しますが、骨の腫瘍は例外で、2歳前後の若い犬、特に大型犬の前足によくみられます。
骨の一部だけでしたら、早期でしたら足の切断と手術後の抗がん剤により完治する可能性があります。飼い主さんや回りの家族・犬自身が悲しい決断ですが、足を切断しなければなりません。
癌が進行した場合で、足の切断手術のみで1年後に生存した生存確率は約10%になります。ただし術後に抗がん剤による治療を3~6回しますと生存確率が上がり約50%にまで上がります。骨の癌は、そのまま放置しますと肥大し続けて、さらに肺などに転移してしまいます。重度のケースでは、激しい痛みが犬にかかります。