<症状と原因~便秘>
便秘は便の回数が減ったり、または排便するのが困難な状況を言います。猫は犬に比べ便秘を起こしやすい動物と言えます。骨盤が狭いためです。高齢の猫は、運動力も低下する為に、腸の運動力も低下し便秘しがちです。しかし高齢ではなく、まだ元気な猫が排便時に 苦しそうに力んでいたら心配です。
便秘を起こす主な病気は猫に多いとされる慢性腎不全や巨大結腸症などが有名です。また子宮がんや脂肪肝・腸閉塞なども多いです。それと意外な所では、毛づくろいで体内に溜まったヘアボールが便秘の原因になっている事もあります。
便が堅い場合は、便を軟らかくするような薬を使うことがあります。力んで出にくい場合は、少量の浣腸を行うこともありますが、出ないのに無理に使うと腸に損傷を起こすこともありますので気をつけてください。
骨折など狭窄がある、神経的な問題、巨大結腸症などの場合は、薬を使っても出にくい場合が多い重症である場合が多いです。この場合は、鎮静、あるいは麻酔をして、直腸から指を入れて糞塊を少しずつ砕きながら除去していきます。
巨大結腸症、骨盤骨の狭窄などの場合には、外科的な処置によって、広がった腸を切除したり、狭くなった骨盤を広くする処置を行い場合もあります。 事故や先天的な問題によって、便意が起こらない猫さんがおりますが、そのような猫さんでは、飼い主さんの手によって、定期的に排便させてあげるようにすると良いと思います。
<対策・治療方法~便秘>
初期の便秘の場合は、繊維質の多い食事を取って、腸を刺激すると改善することもあります。乾燥した食事が多ければ、水分を十分取らせるようにします。便秘が起こるとネコは脱水症状を起こします。その為、点滴や皮下注射によって失われた水分を補給します。また、便をやわらかくする薬などを与えたりします。
普段から便の状態をよく把握している事が病気の早期発見にもつながり大切なことです。