<症状と原因~血管外膜細胞腫>
米国の調査(1966~70)では、脂肪腫に次いで多くみられ、腫瘍性病変の約10%を占めている病気です。「血管周皮腫」、「血管周囲細胞腫」「血管外皮細胞腫」とも呼ばれますが全て同じ腫瘍をさします。毛細血管や小静脈の外側を螺旋状に取り巻く血管周囲細胞から発生すると考えられています。
老犬の肢、特に関節やかかと周りに多く見られます。触ると硬く、皮膚や内部の関節などに固着してしまっている場合があります。手術で切除しても完全に取りきる事が難しく、取残しから再発するケースもあり、その場合はより悪性化すると言われています。ケースは少ないものの、転移する事も極稀にあります。
<対策と治療方法~血管外膜細胞腫>
一般的には手術により切除しますが、取り残しが多く再発するとさらに悪性化する場合が多く、部分的に生検して病理診断を行い治療法を決定しますが、広範な切除または断脚が必要であると考えられます。外科的切除のほかに、補助的な療法として放射線療法やドキソルビシンによる化学療法も試みられていますが、どの治療を進めていくかは、医師の検査により決定されます。