＜症状と原因～膿皮症（皮膚の細菌感染）＞

膿皮症は細菌による感染性皮膚症です。皮膚の化膿性病変を総称して膿皮症と呼びます。比較的、夏場に多くみられる症状で、犬は、猫に比べその発生頻度が高いと言われます。老犬は老化の為免疫力が低下し皮膚の抵抗力が弱くなり若い犬よりも発症しやすい傾向があります。

軽症なものでは、自然に治りますが、感染抵抗性の弱い犬や、治療法が不適切だった場合炎症が悪化し慢性化しやすくなります。その為、何度も繰り返す犬もいます。フードを替え、対応のシャンプーなどで根気よくケアしていく事で数カ月で完治できる疾患ですので、あまりに繰り返す場合は、習慣の見直しをしてみてください。

非衛生的で汚い環境で生活環境の場合、皮膚が汚染されたり、すり傷や噛み傷から黄色ブドウ球菌などの病原細菌が感染してしまい化膿してしまいます。逆に過度の洗顔や犬の体質に合わない成分を含むシャンプーの使用も原因となります。

症状は皮膚が局所的に発赤して、かゆみが起きて増してきます。初期段階なら毛包だけに菌の増殖がおき皮膚の表面に小さな紅疹を見ますが、進展すると環状の病変となります。

また中心部の古い病変部が色素沈着で黒くなる場合もあります。痒みが強く犬が舐めたり、引っかいたりするすと短期間のうちに脱毛が広がってきます。症状が進んで重いケースでは腫脹・膿瘍・発熱・痛みが起きるようになります。

＜対策と治療方法～膿皮症（皮膚の細菌感染）＞

まずは、患部周囲の毛を刈り、薬用シャンプーで洗い、患部に抗生物質の軟膏を塗ります。ステロイドを使用する事もあります。ステロイドは常用するのは心配ですが、短期間の使用であれば、かなり改善されるでしょう。症状がひどい場合は、抗生物質の飲み薬も同時に投与します。本症にかかった犬は隔離して他の犬と接触させないことが必要です。また、食事の改善も必要に応じて行います。

殺菌性シャンプー・薬用シャンプーで皮膚を清潔に保ち、必要ならば犬の毛刈りをしてください。ただし過度なシャンプーは、症状を悪化させます。深部分の膿皮症や膿が出て症状が悪化して、治療が困難で多めの抗生物質の投与による対処等があり、最低でも約3週間位で数カ月単位での投薬を続けて長期の治療が必要と言われます。

この疾患はまだよく解明されていなくて、現在では約５０％が長期間にわたる抗菌的治療を必要とします。